昨日の日記に続いて「MJ縮退マップVer.0.1」をチェックしているのだが、やはり「法務省告示582号別表四」がダメダメなので、この縮退マップから外すべきだと思う。たとえば、MJ033560「𡛞」に対する「法務省告示582号別表四」の縮退マップは、第1順位が1面54区18点「峅」、第2順位が1面53区11点「妍」になるはずなのに、これらが現時点の「MJ縮退マップVer.0.1」から漏れている。あるいは、MJ033261「𡓳」に対する「法務省告示582号別表四」の縮退マップは1面57区80点「攝」のはずなのに、これも「MJ縮退マップVer.0.1」から漏れている。

漏れてしまった理由をつらつらと考えてみたのだが、どうも2011年12月26日法務省告示第582号『在留カード等に係る漢字氏名の表記等に関する告示』の「別表第四」における「簡体字等の文字コード等」を、IPAが十分に理解できていないからだと思われる。「簡体字等の文字コード等」は、UCSに似ているがUCSではなく、あくまで入国管理局独自の文字コードだ。たとえば「𡛞」は、「簡体字等の文字コード等」においてはf119で表わされる、と「別表第二」に明示されている。あるいは「𡓳」は、「簡体字等の文字コード等」ではf381である。その事実をIPAがちゃんと理解できていないために、これらの縮退マップが「MJ縮退マップVer.0.1」から漏れてしまったのだろう。

ただ、正直なところ、「別表第四」にもとづく縮退マップは、かなり気持ち悪い。その点に関しては、私(安岡孝一)自身「入国管理局正字とその問題点」(東洋学へのコンピュータ利用, 第26回研究セミナー (2015年3月20日), pp.41-151)でも書いておいたのだが、まあ、IPAの人たち、読んでくれてないんだろうなぁ。