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日記

yasuokaの日記: 「酒鬼薔薇聖斗」事件の神戸家庭裁判所決定全文が『文藝春秋』に掲載

日記 by yasuoka

『文藝春秋』の2015年5月号(第93巻第6号)に、佐々木央(共同通信編集委員)の「少年A「酒鬼薔薇聖斗」神戸連続児童殺傷家裁審判「決定(判決)」全文公表」が掲載された(pp.314-342)と聞いたので、図書館に読みに来た。読んでみたのだが、「平成9年10月17日」と記されているだけで、事件番号も裁判官氏名も空白になっており、本気で全文公開する気があるのか、と感じるシロモノである。「全文」には「注」がいくつか含まれているのだが、これが元々の決定文から存在していた「注」なのか、後からつけた「注」なのかサッパリ読めない。前半の「判例評釈」の部分も読んでみたが、以下のようなワケのわからない文言に突き当たっただけだった。

しかし、要旨からは全文にあった成育歴の大半と精神鑑定主文の重要な部分が抜け落ちていたのだ。それを知ったのは十年ほど前のことだった。事件を担当した井垣康弘・元判事が「決定で公開すべきだと思った意味が大きく失われた。意図したことがよく伝わらない報道がなされた」と嘆いていると聞いた。要旨を作成したのは、当時の神戸家裁幹部だという。

だったら、決定全文を『家庭裁判月報』に掲載するよう、ちゃんと働きかければよかった、というだけのことだろう。昨年3月で刊行終了したとは言え、1997年から2005年頃であれば、まだまだ『家庭裁判月報』は元気に活動していたはずだ。あるいは当時うまくいかなかったとしても、今なら後継誌の『家庭の法と裁判』がある。少年審判や家事審判には、ちゃんとした専門誌があって、そこで家裁決定の全文公開や様々な議論がなされているのに、そういうことに長けていない『文藝春秋』に、事件番号を空白にして載せるとか、元々あったかどうかわからない「注」を付けて載せるとか、正直ワケがわからない。この佐々木央とかいう人物、過去に一度でも少年/家事審判の全文公開に、ちゃんと立ち会った経験あるの?

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