パスワードを忘れた? アカウント作成
762207 submission
サイエンス

催眠術は脳神経の働きを変える

タレコミ by MIYU
MIYU 曰く、
セクションローカル用に、「催眠術にはかかりそうにない猫」曰くにしようかと迷うMIYU曰く

fMRIによる脳画像が、「暗示(催眠術)」が実際に脳の神経活動 に影響を与えているという事を明らかにしたそうです。 (論文概要 News@Natureの記事 訳文

今回の実験で使われたのは、 「赤いインクで書かれた青という文字」のインクの色を答えさせる (この場合には赤と答えなければならない) 「Stroop Test・color word conflict test」です。 ( 東京大学の跡見順子氏による例)  このテストは認知心理学の課題としては有名なものですが、 色の判断と文字の意味という二つの異なる 情報が同時に脳に入ったときに、色を答える反応が遅くなる現象が起きる 事が観察されます。

実験の被験者達には「催眠術にかかり易い」人達が 選ばれました。彼等は催眠術をかけられ、トランス状態に有った時に「せきばらいが聞こえると文字が意味を成さないものになり、インクだけが認識できる」という暗示を与えられました。トランス状態から覚めた10分後に これらの人々と暗示を受けていない人々は「Stroop Test」を受け、 せきばらいが聞こえた後、暗示を受けていた人々は実際に1割短い 時間で課題を終了したそうです。
fMRIで撮影された脳画像では、「催眠術にかかり易い」人達では、 計画を立てたり対立する事柄に対処したりする脳領域である 「前側帯皮質(anterior cingulate cortex:ACC)」 と視覚野の両方で、脳の活動が減少している事が観察されています。

研究者は、「催眠術にかかり易い人々では、普通の状態で繰り返し 示唆を与えるだけでも同様の効果が出たかもしれない」、と 語っていますが、脳の働きが実際に目に見えるようになった事で、 「合図が有るとタバコに火を付ける」などのような 「催眠術による奇妙な行動の制御」に、実際に生物学的な 活動の裏付けが有る事が明らかになったというのは興味深い事です。
typodupeerror

UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

読み込み中...