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アップル

[Low End Mac] Lisa Office Systemレビュー

タレコミ by airhead
airhead 曰く、
  • 編集者へ
  • インタビュー本編をタレコミ(HTML formatted形式)してから気づいたんですが、タレコミではp要素がすべてbr要素×2で置き換えられてしまいます。ul要素の後にも挿入されており、見苦しくなっている部分があります。お手数かけますが適宜直して頂けないでしょうか。タレコミformを使わずメールで送りなおせというのであれば連絡ください。
  • インタビューと同様、訳文冒頭のリンク「Lisaエミュレータ作者、Ray Arachelianインタビュー」のリンク先がLEMの原文記事になっています。
  • 不都合があれば連絡くださいとLow End Macに通知したうえで、スクリーンショットを直リンクに変えています(原文のimg要素をa要素に変更)。
  • アンチMacな人を突付くような表現がほんの少しだけあります。判断はお任せしますがセクションローカルのほうが良いかもしれません。却下であれば私の日記にまわします。
  • セクション・トピック案:アップル、GUI、OS、ソフトウェア


Arachelian氏インタビューでも大きく取り上げられているLisa Office System (LOS) のUIに関して、今回はLisaエミュ/LOSレビュー記事についてもあわせて許諾いただいたので、ここにお届けします。これをもとにデスクトップ環境のありかたを考えてみるのも一興ではないでしょうか。

Lisaエミュレータがリリースされる――OS XおよびWindowsユーザーがApple Lisaを体験することも可能に
Ted Hodges - 2007.02.27

8年前、僕がまだ11歳のとき、僕はたまたまLisa Emulator Projectに出くわした。

それまでLisaについて聞いたことはあったが、Lisa Office System (LOS) を使う機会は一度もなかった。その理由は、そのエミュレータプロジェクトに動作するLisaエミュレータは無く、他のどこを探しても無かったからだ――今の今までは。

そう、Lisa Emulator Projectの創始者Ray ArachelianがついにLisaエミュレータを動作するまでに作り上げたんだ(この経緯について詳しくはLisaエミュレータ作者、Ray Arachelianインタビューをご覧いただきたい)。

他の多くの人たちと同じく、僕はこのエミュレータの稼動を何年も待ちつづけてきており、さっそくこのLisaエミュレータをダウンロードして、ROMを入手し、LOSの入ったメディアを見つけ出した。この両方がエミュレータを動作させるために必要となる。

用意したのはLOS 7/7 Version 3.1で、これをProfileディスクイメージにインストールし、仮想Lisaを起動してみた。

それではLOSの機能をいくつか紹介していこう――説明のためにスクリーンショットも十数枚用意した。

Lisaを起動して最初に目にするのが次の画面だ:

ご存知だろうか? MicrosoftがWindowsを作るにあたって、Macから盗んだものでないものが一つだけある。砂時計カーソルだ(クラシックMac OSでは腕時計が使われていた)。いやいや、実は彼らはWindows砂時計をLisaから盗んでいたんだ。

それはさておき、起動プロセスはこのくらいにして、本編へと入っていこう。

まず最初に目に付くのは、他のコンピュータとはまったく異なるLisaのふるまいだ。

例を挙げると、もっと最近のGUIで普段やっているように、まずLisaWriteやLisaDrawやその他のアプリケーションを立ち上げ、作ろうとしている文書のタイプを選択し、それから文書を作成し、しかる後にタイトルをつけて保存、といった手順を踏むことはない。Lisaでは(LisaDraw PaperやLisaWrite Paperといった)便箋をダブルクリックして、そこから一枚引っぺがすことから始める。

そして今切り取ったばかりの一枚の紙にタイトルをつける。

そしてその紙を開いて、おもむろに書き始める(あるいは何か描くとか、ご自由に)。

なぜ最近のオペレーティングシステムはこのようにしないのかと不思議に思えるぐらいだ――僕にとってはこの方が理にかなっている。

なぜ僕が時計を95年2月25日に合わせているのかと不思議に思われるかもしれない。ええとつまり、Lisaは1995年で時を刻むのを止めてしまうんだ。(まあ少なくとも、LisaはY2K問題とは無縁だったのだ。)

Lisaのもう一つの特徴はプリエンプティブ・マルチタスクで、メニューを開きっぱなしにしても、システムの他の部分が止まったりしない。

その通り――プリエンプティブ・マルチタスクは、1983年に登場したLisaが標準で備えていた機能だった。(Macでは2001年にOS Xが登場するまで取り入れられなかった。)

さらにLisaで目に留まるのは、終了という選択肢が無いことだ。全部片付ける (Set Aside Everything) 、編集中の文書を片付ける (Set Aside "(document title)") 、保存して続ける (Save & Continue) 、保存して仕舞う (Save & Put Away) 、こういったことはできるが、終了 (Quit) はできない。

終了できない理由は、全てのプログラムが常に開いていることにある。LOSは徹底して文書志向になっているんだ。

これに加えて良い点は、Lisaに何かを保存せよといちいち指示する必要がないことにある。保存せよと指示した場合には参照ファイルが作成され、後々そこに差し戻す (revert) ことができる。

例えば、先週から作業を続けている文書があり、最後に保存したのは2日前、という場合を想像して欲しい。

Lisaは最後に保存してからのあらゆる変更を把握しており、文書を片付けるたびに、わざわざ問い合わせることもなくそれを更新してゆく。

でも文書で失敗してしまった場合にはどうすればいいのか? ただ単にLisaに、直前の版に差し戻す (Revert to Previous Version) ように指示するだけでいいんだ! 実際の話、Lisaに何かを保存させたくなるような理由は、後から直前の版に差し戻すことができるように、ということの他に見当たらない。

この差し戻し機能を除けば、文書を保存せねばならないような理由は全くない。自動だから。

それとは別の、僕がとても気に入っている機能を挙げてみよう。あるディスク内の文書を開いている最中にディスクを取り出そうとした場合、Lisaは文書を(複数あってもすべて)保存し、それらを閉じ、そうして初めてディスクを排出する。

これは、誰かに(例えば上司に)別のディスクを渡されて調べておけと言われたような場合に重宝するだろう。

さらに最初に作業していたディスクを再びLisaに入れれば、Lisaは直ちに作業していた文書を自動的に、ディスクを取り出す直前の状態で開きなおしてくれる。

これと同じことは、電源ボタンを押した場合にも起こる。

開いている文書の数か20あって電源ボタンを押したとしても、Lisaはそれらを全て保存し、片付け、全てを仕舞いこんで、そうして初めて自身の電源を切る。

再びLisaの電源を入れれば、直ちにLisaは全てを電源を切る直前の状態で開きなおしてくれる。この動作はMacのスリープに似ているが、たった一つだけ、全ての文書が保存されるという違いがある。

Lisaに文書の複製を指示した場合の動作も、気に入った点の一つだ。複製したいと思うファイルそっくりの点滅するアイコンが作られる。ファイルの複製の前に、まずこの点滅するアイコンを複製したい場所に事前にドラッグしておかなければならない。

想像するにこれは、1983年当時はディスクスペースが限られており、ファイルを複製するにしてもそのディスクにそれだけの空きがない場合もあったためだろう。

ちょっと変わった部分もある――が、現実世界でのことを考えれば驚くにはあたらない――あるプログラムを、それがあるディスクから別のディスクへドラッグした場合、Lisaはファイルをコピーし終えると元のディスクからそのプログラムを削除してしまう。これは奇妙に思えるかもしれないが、考えてみれば実生活で現実のファイルをあるフォルダから別のフォルダに移す場合にしても、ファイルは元あったフォルダに残ってたりはしない。

Lisaエミュレータ

このエミュレータはなんてそっくりなんだと、皆驚かれることと思う。いやまったく、これはすごくよく出来ている。

UIをエミュレートするだけにとどまらず、電源ランプやディスクドライブも含めたコンピュータ全体がエミュレートされている。このエミュレータを実行すれば、誰もがLisaを目の当たりにしているような感覚を覚えるだろう!

この記事を書いている現在、ディスクドライブのモーター音とディスクのアニメーションが機能するのはWindows版のみで、今のところエミュレータにドキュメンテーションは付属していない(訳注:その後beta版と同時にドキュメンテーション草案のPDFがリリースされた)。

バグも存在し、プログラムによってはスクロールバーの矢印が欠けることがある。Deskメニューの誤動作を引き起こすバグもあるようだ。(デスクトップ上の全てのアイテムを表示させるためにデスクメニューが用意されている。)

とはいえ、このエミュレータに関して僕のところで発生している唯一の大きな問題は、僕の733MHz G4では動作がかなり遅いということだ(エミュレータのレポートでは3Mhzで、Lisaのゆったりとしたハードウェア速度5MHzの、わずか3/5でしかない)。Ray Arachelianの確約したところでは、来週に予定されている次のリリースではG4マシンでもずっと速く動作するようになるとのこと。

その一方でWindows版はなかなかの速さで動作する。したがってWindowsマシンをお持ちであれば、当面はそちらでエミュレータを稼動することをお勧めする(「かなり」速いMacを持っていない限り)。

さて、今回のLOS検証記事は楽しんでいただけただろうか。質問やコメントがあれば気軽に電子メールを送って欲しい。おっと、チャンネルはそのままで、現在Ray Arachelianにインタビューしている真っ最中で、Lisa Emulator Projectについてさらに詳しくでお伝えできるはずだから。

"Lisa Emulator Released, Allows OS X and Windows Users to Experience Apple's Lisa" by Ted Hodges, Feb. 27, 2007.
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