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Takahiro_Chouの日記: ニセ科学フォーラム2008 行ってきた 2

日記 by Takahiro_Chou

T/O

…と言うのもアレなので、感想など。

「ニセ科学問題の見取り図」(御存知・きくまこセンセ)

まず、のっけの辺りから、
「マニアの人は寝てて下さい」
「日本のニセ科学は、オリジナリティが低い物が多いが、『水伝』は別。日本が誇る輸出物」(←本当に海外に輸出されてる)
などの名言が続く。

しかし、それに続くのは、行政/市民運動に利用された……と言うか行政/市民運動が利用したニセ科学と言う、ある意味、鬱話。
どっちにしても、科学的知見を元に意思決定を行うのでは無く、まず、意志決定有りき、と言う逆転が起こっている。

更には、マスコミ関係者は、科学的手続きが如何なる物かを知らないんじゃないか、とか、ニセ科学は社会の非合理化(簡単に、白黒付けたがる、とか、考える途中プロセスの軽視とか)の現れの1つなのでは、と言う話も出た。

ついでに、大阪の橋下知事が、何かのイベントで、EM団子を川に投げ込んだそうで……一瞬、あのバカ 橋下知事を、道頓堀に投げ込みたくなった……。

科学を教えること・伝えること、そしてニセ科学(田崎晴明)

「小学校指導要領解説 理科編」と言う、要するに、大方針である、学習指導要領を、もう少し具体化して、こう言う感じで授業をしなさいよ、って事が書かれた物がある。
「著者」は、もちろん、文部省(昔)、または、文部科学省(今)。

で、それの、平成11年版に、凄まじい一文が有った。

第三は、自然の事物・現象の性質や規則性、真理などの特性に対する考え方の転換である。
自然の特性は、人間と無関係に自然の中に存在するのではなく、人間がそれを見通しとして発想し、観察、実験などにより承認したものである。
つまり、自然の特性は人間の創造の産物であるという考え方である。

んなタワ言を、大真面目にほざいても、許されるのは、思春期までだ、と言いたい所だが、確かに、こんな「考え方」を主張している人達は居るよな。
映画監督のウォシャウスキー兄弟、とか。

で、この一文は、流石に、現在の版では消えてるそうですが、困った事に、この一文を「指導要領解説」に載せた御方は、まだ、文科省にいらっしゃる様です。

もちろん、こう言う考え方が出てきたのは、科学史の発達によるものなんですが、
「『科学』と言うのは、我々が思ってたのとは、少し違う様だ」
と気付いた……までは良いんだが、それに伴って、科学観を「少し」修正するんじゃなくて、更に、その先の極端な所まで行ってしまった人達が居る訳ですな。
で、しかも、そう言う科学観が、一見、進歩的で価値観の多様生を認めている様に見えるから、タチが悪い。

じゃあ、この様な変な科学観に対抗する考え……科学と言うものは、単なるトリビアの集まりでは無く、物理と化学、化学と生物etcが、相互に関連して大きな体系を作ってるんだ…とか言う事を義務教育で教えようとしても、時間etcのリソースの問題が出てくる訳で……。

ニセ科学健康情報の見方考え方(小内亨)

本職の内科医の方から見た健康系ニセ科学の話。

このニセ科学的な健康情報ってのは、やっかいな問題が有って、医学・医療と言う物は、生物学や化学と言うレイヤの上に、基礎医学その1と言うべき生理学・生化学などが有り、更に、その上に基礎医学その2と言うべき病理学・病態学などが有る。
で、一般患者に直接関わる、臨床医学は、基礎医学の上のレイヤに成る訳だが、それでも、まだ、「医療」では無い。
何故なら、「学」が付く物は、一般的な事象を扱う物だが、「医療」は、それを受ける個人を抜きにしては語れ無い。

更には、臨床医学的には効いてる(かも)なんだが、基礎医学的には、何故、効くのか不明な代物やら、基礎医学的には効きそうだ…と思って臨床試験をやってみたら、効かなかった、どころか、逆効果だったなんて代物も有る。

後者の例が、βカロチン。
これは、基礎医学的には、効きそうだった(野菜を多く食べる人には癌が少ない、と言う事への理論的裏付けになりそう)。
だが、βカロチンを抽出したサプリメントを摂取した群と、対照群を比較した結果、サプリメントを摂取した方が、有意に癌の発生率が上がったなんて実験結果が山程有る、との事。

結論としては、この手の健康食品関係の情報については、

  • 基礎医学(的な実験の結果)と臨床医学(的な実験の結果)は区別する事。
  • 予防効果と治療効果は別。
  • 代用エンドポイント(例:血液サラサラ)と、真のエンドポイント(例:健康になる、特定の病気になる確率を下げる)は区別する事。

などに留意する必要が有る、との事。

討論

御存知、山形大の天羽先生からは、最近流行りのバナナダイエットの提唱者が、白インゲン ダイエットの提唱者と同じ人物、と言う話が出た。
体重は減ったけど(胃腸が洒落にならない状態になったんだから)入院者を出した白インゲンダイエットに比べて、バナナダイエットは、安全性の点では、進歩しているのではないか、との事。

懇親会

大学の学食だったせいか、出た物の味や量はイマイチ。
冷えた小籠包ってのもなぁ……。

とりあえず、きくまこセンセによるテルミンのセッション付きでした。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 昨日見たテレビじゃアメ公がいらなくなった空母をそのまんま海に棄ててました
    ああいうの見て、環境ならびに環境破壊なんてのが恣意性の産物でないと信じる
    のは難しかろうと
    個人的には我々一般平民に必要なのはせいぜいニュートン力学ぐらいまでで
    馬鹿高い機材の予算落とすための「理解を求める」為に専門家でもなけりゃ
    必要もなければ理解も出来ない知識をばらまくことが半可通-トンデモ化の
    下地になってんじゃねえでしょうか?
    ちなみに、
    性転換兄弟好みの厨房論争はその昔、レーニンとボグダーノフがさんざぱら
    やりあいましたが、いかなる立位置に立とうが結果は大迷惑極まりないっての
    は歴史が証明しております。つまらんこと考えるとろくなことになりゃしない
    • 昨日見たテレビじゃアメ公がいらなくなった空母をそのまんま海に棄ててました
      ああいうの見て、環境ならびに環境破壊なんてのが恣意性の産物でないと信じるのは難しかろうと

      違います。
      ハンバーガーばっかり食ってると、頭が悪くなるから、アメ公のやることは阿呆なんです。(←ニセ科学の一例)

      個人的には我々一般平民に必要なのはせいぜいニュートン力学ぐらいまでで

      いや、だって、「ゆとり教育」導入の戦犯・三浦朱門なんかは、
      「二次方程式(=ニュートン力学を理解する為の前提知識)なんて義務教育で教える必要有るの?」
      とか宣ってる訳ですし、「せいぜいニュートン力学」すら危うい訳で。

      親コメント
typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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