akiraaniの日記: 第5回東方ニコ童祭の燃えよ美鈴の話と、春アニメの感想
東方ニコ童祭というのはニコニコ動画で行われる東方Projectのユーザーイベントなんですが、ここ数回、MMD作品で参加する人がけっこう出てきています。
年一のイベントというだけあって気合の入った作品が結構出てきているのですが、中でもすさまじかったのが「燃えよ美鈴4」ですな。東方シリーズでは中国の愛称でおなじみの紅美鈴が香港映画ばりのアクションでバトルするというシリーズなんですが、今回は武器格闘で文字通りの真剣勝負。
これがすごいのなんのって。アクションのキレ、カメラワーク、静と動のメリハリ、アクション以外のシーンの日常のちょっとしたモーションや表情など、動画部分のクオリティは劇場映画としても通用するレベルの超絶クオリティ。
MMDって、手に何かを持たせて動かすと気を使わないといけないことが増えて難易度が増えるんですが、それをまったく感じさせないいったいどんな魔法を使ったのか。しかも、作者のあさとしさんは2月の第10回MMD杯にも、5月のMMDドラマフェス2にもこの調子で超絶バトルアクション作品出してるんですよね……。
カンフーアクションものが好きなら見て絶対に損はないと思うので、「燃えよ美鈴」でググってチェックすることお勧めします。
東方ニコ童祭はMMD作品だけでも力作がけっこうあって、おかげでMMD作品のチェックがちょっとばかりたまってます。
しばらく更新してないけど、ニコ動周りの作品紹介のページもまた更新したいなぁ。でも夏コミ向けの準備も必要だしなぁ……。ううむ。
さて、話は変わってアニメの話ですが、今季ニコニコ動画の公式配信でチェックしていた作品がいくつか春クールで最終回を迎えます。
その中から特に気に入ってみていた作品について感想を。
・やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
いかにも今風ラノベ作品ってタイトルで、なんかググってみたら、略称は「はまち」とか「俺ガイル」と呼ばれているとかなんとか。
最近ライトノベルは全然読んでいないので原作を知らずにとりあえずアニメを見てみたわけですが、これが想像よりも大幅に面白かった。今季一押しです。
タイトル見た時点ではよくある学園ハーレム展開の作品かと思ってたんですが、ただの萌えアニメではなかった。ヒロイン含めた周囲のキャラクターもハーレムラノベを名乗れるだけの魅力をちゃんと備えてるし、普通に萌えアニメが見たい人にも十分なクオリティを備えてはいます。ただ、そこで終わりの作品ではなかった。
性格ひねくれた主人公の学園ものというのはまあそんなに珍しいわけではないんですが、そういう非モテ要素はたいていはキャラ立てのためのものでドラマ本編では不自然にラッキーでイケメンな行動をとるのが普通なんですが、この作品の主人公は一味違う。もちろん、キャラ立ちのための個性としても活用されていて普段の何気ない掛け合いなんかも相当愉快なんですが、それと同じひねくれ具合で問題の解決にあたるところが新しい。事件の解決の仕方がまいどまいど斜め上にゲスくひねていて、驚いたことに、そのゲスいやり口がたった一つの冴えたやり方になっていてドラマを盛り上げている。ものすごい構成力です。
流行のハーレム学園ものの味付けにボッチ主人公という変化球混ぜてみました、ではなく、ウィニングショットに使えるレベルまで磨き上げた変化球で真っ向勝負、そういう作品でした。
いやこれは良くできた作品だと思います。
・ゆゆ式
何も考えずに気を抜いて楽しめる、ゆる~い学園日常ドラマ作品(ゆり)。
あほの子、ボケの子、ツッコミの子三人の会話劇で、本当にくだらなーい話をやけにハイなテンションで延々繰り返すだけのアニメ。
日常ほど非日常というわけでもなく、ひだまりスケッチほどのんびりというわけでもなく、スラップスティックの数歩後ろを小走りに追いかけてる感じのテンポがなんかよかったです。
あと、作画が妙によかったですなぁ。パンチらアニメのような露骨さは全然ないんですが、とくに足の描写にはなんかただならぬこだわりを感じるところが結構ありましたし。
・あいうら
ゆゆ式よりもさらにゆるい感じの学園日常ドラマ。
OPが1分半、本編が1分半、ED1が1分、ED2が1分半とどーにも本編比率が少なく短いうえに、中身の会話もシュールで投げっぱなしだったりすることも多く、そしてOPの蟹蟹蟹蟹……とED2の棒人間のインパクトがやたらとかく強烈で良くも悪くも本編中身の印象が残らない作品でした。ただし、謎の中毒性があります。
あと、本編が短いだけあって絵はよくて、ゆゆ式と同じくエロくはないけど足の描写にこだわりのある感じはよかった。
・波打際のむろみさん
いろんなキャラがテンション高くまくしたてまくり、さりげに教養ないとわからないネタがばらまかれているスラップスティック15分アニメ。
いや、いろんな意味で濃い作品でした。OPのなんか癖になる感じもあわせて、独自の世界観を構築してます。博多弁をまくし立てて勢いで15分間突っ走り続けるノリがほぼすべてですが、こういう作品好きです。
絵柄とかにもかなり癖があるので人を選ぶと思いますが、カルトではあるけどオタとはちょっと違う路線のネタチョイスがユニークでよいと思います。
ちなみに、作品とはあんまり関係ない話ですが、OPの七つの海よりキミの海の公式PVが実にいかれてて良いです。すみぺいいですよね。すみぺの良さを語れる同志いたらコメントください。
・はたらく魔王さま
現代日本に異世界の魔王がやってきてハンバーガーショップで真面目にアルバイトするというストーリー。アニメもそしておそらく原作もかなり丁寧に作られてるというのが感じられるのが良かった。
アニメとしてはなんというか、表情豊かすぎて顔芸の域に達してる描写がなんともよかった。電撃のアニメ化作品は原作者含めての製作体制がしっかりしていて安心して見れる作品が多いですな。
魔王と勇者の物語に現代の倫理観を持ってきていろいろドラマにするというギミックはけっこう面白いし、ファンタジー世界からの移転で変化したキャラクターの個性がうまく出てたのがポイントかと思います。
ネタを挟まないと死んじゃう病的な部分もあるので、そのへんでどうかと思う人もいるかもですが、ニコ厨なら問題ナッシング。
7/8追記
・這いよれ!ニャル子さんW
パロディ系小ネタを圧倒的なまでの物量で押し流す現代アニメ的スラップスティックですが、第4期シリーズ(※フラッシュアニメ版から数えた場合)になってもそれは健在でしたなぁ。クトゥルー神話はもちろん、TRPGに中の人ネタから他社他作品までなんでもありで、くしゃみやら悲鳴にまで挟み込まれてくるパロディの嵐はツッコミが追い付かない騒がしさでした。
どうせパロディネタをやるなら徹底的にやるという姿勢は素晴らしいと思います。まあ、おかげで人を選びまくりなんですが。
あ、主題歌今回もよかったです。やっぱ洗脳ソングはこうでないと。
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