もう先週の話になってしまったが、NHK Eテレで放送していたログホラインズン(以下ログホラと表記)の第1期シリーズが最終回を迎えたので改めて感想を書こうかと。参考(ログホラのアニメの「感想」が面白い、ここらでログホラのアニメについて語ってみる)
　ネタバレとかも、一応は配慮しますが限界があるので、これから見るよって人は避けてね。

　アニメーション作品として非常によくできていたと思う。原作が面白いというのももちろんだけど、アニメ化にあたって原作の良さをこれ以上は望めないくらいまで丁寧に描かれていたのがなにより素晴らしい。このクオリティはたぶんNHKでないとできないだろうと思う。

　ログホラの原作はまおゆうでおなじみの橙乃ままれ氏であるが、氏の作品の特徴として群像劇でかつ社会システムを変革するという映像化が非常に困難な要素が含まれていることがあげられる。
　ログホラでは、各々のエピソードはもちろん、世界観や社会基盤にいたるまでが時間をかけて丁寧に描写されており、さらに重要なポイントでは特別番組でおさらいされていたため、初見でも十二分に楽しめる作品になっていたと思う。うちの環境では見れていないが、データ放送を利用して用語解説なども丁寧に行われていたようだ。こういった贅沢なつくりはNHKでないとできなかっただろうと思う。

　アニメならでは描写も秀逸で、特にキャラクター描写は素晴らしかった。メガネキャラ連中が何かをたくらんでいるときの悪い表情や、コメディシーンでのディフォルメも非常によくできていると思う。
キャスト陣の声の演技も素晴らしかった。主客級の人たちはもちろん素晴らしかったのですが、班長、リガン、濡羽といった渋いキャラ、ねちっこいキャラの存在感のある演技は神がかってました。

　唯一といってもいい懸念事項が原作がストーリーの全く途中であること。原作4巻までであればかなりきりの良い終わり方をするのだけど、アニメでは5巻のエピソードまで話が進んでしまっていた。原作通りだと最終回で謎の新キャラが登場して幕、というレイニー止め状態になってしまうわけですが、それも番組最後にちょっとした予告めいたシーン紹介とともに秋から2期が放送決定との報で一安心、というか大歓喜。
　喜んだ人は自分以外にもたくさんいたようで、放送直後はログホラがツイッターのトレンドワードに上がってたりしていました。いや本当によかったです。

　コミケやらいろんなところで他の原作ファンの人たちとお話しする機会がちょくちょくありましたが、みなさんそろってべた褒めでした。原作ファンにも初見の人にもお勧めできる、近年まれにみる名作であると思います。