うちの書評ではジャンル違いなのでこっちに。

　アキハバラ@DEEP

ネタバレ注意！！









　てんかんで固まったり、手先だけ極度の潔癖症だったり、吃音だったり、アルビノだったりと、それぞれ欠点を抱えながら何かしらのスペシャリストであるというヲタが、ITベンチャーで画期的なサーチエンジンを作るが、巨大IT企業に強引に奪われてしまった。一致団結して取り返せ！、というストーリー。
　よく調べてあったとは思う。47氏とoffice氏をモデルにしていると思われるキャラがいたり、敵のボスが孫正義とほりえもん足してるとしか思えなかったり、マトリックスOFFだとか、ネットで起こった事件や有名人なんかをかなり深いとこまで調べてネタにしてる感じ。
　一方で、技術的な話はかなりアヤシイ。特にソフトウェア開発プロセスに関する部分はボロボロ。まあ、この辺はハッタリかましてなんぼなのでまあいいとして、問題はストーリー展開。

大まかなストーリー展開は以下の通りだ。

• 個人のカウンセリングサイトを通じでチーム結成
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  三ヶ月(！？)がんばって画期的なAIサーチエンジン開発。ネットで大評判になる
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  某IT企業グループのワンマン社長が目をつけて150億でサーチエンジンの買取を持ちかけるが、囲い込みを嫌ってお断り
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  オフィスとメンバー全員の家に同時に空き巣が入り、開発環境資料その他を根こそぎ持っていかれる
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  警察に訴えたがサーチエンジンの価値を理解してないので捜査おざなり、当てにならない。相手は奪ったデータを自社で特許を申請するから同じものを作っても無駄だと豪語
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  裏アキハバラの力を結集して反撃だと、相手本社ビルに殴りこみ。SPとの熾烈な戦いの末勝利、とらわれのサーチエンジンAIをネットの海に開放して大団円

　事件と悪役の理不尽さ具合というか、こういうストーリー展開をする話を、他に知っている。遊戯王だ。すでにベータ版を公開してネットで大評判になっているサーチエンジンを空き巣で盗んで、証拠不十分で罰せられない程度ならともかく、集団で空き巣に入られたことが情報としてネットに出回っているにもかかわらずせいぜい数ヶ月で特許申請が通ると思っている悪の親玉。エキジビジョンマッチで堂々とイカサマ宣言したり俺カードを使ったペガサス並みの理不尽さである。
　さらに、主人公連中の反撃手段がテロというかスタングローブ持って本社ビルに殴りこみなのはどうか。法務兼営業なスタッフもいるし、ネットに多大な影響力を持つカリスマブロガーにコネがあったりするにもかかわらず、どうして直接暴力的な手段に出る必要があるのかがどうしても納得できない。
　もしかしたら、地下バトルの女王にしてメイド喫茶の一番人気ウェイトレスなヒロインの能力を活かしたかったのかもしれないが、それ以前にこのヒロインのキャラ設定がありえねぇ。

　というわけで、非常にツッコマビリティあふれる意欲作であったことは確か。個人的にはトンでも本に分類したいくらいだ。