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akiraaniの日記: 第4回MMD杯について1(これまでのMMDの流れ)

日記 by akiraani

 総合ランキングにもちらほら顔を出している作品があるので、気づいている人がいるかもしれませんが、現在第4回MMD杯の本戦動画が大量に投稿されています。
 第3回までもドラマ、一発ネタ、ダンスPVなど毎回力作ぞろいで開催されるたびにレベルが高騰しつつあったMMD杯ですが、第4回もまたすごいことになってます。正直、まだ参加作品の1/3もチェックできてない状況です。
 というわけで、参加作品の感想は閉会式後にまたまとめてやるとして、MMD杯や他のMMD関連作品を追いかけてきての進化の系譜みたいなものを簡単にまとめてみようかと思います。

 MMDとはMikuMikuDnaceの略で、簡単に言うと「3DモデリングされたVOCALOIDキャラクターを動かして動画を作成するツール」です。ニコニコ動画で人気のアイドルマスターのステージムービーを、VOCALOIDのキャラクターで作るというのが最初のコンセプトでした。
 特に画期的だったのが動きをトレスするための機能。元になる動画をコマ送りで表示させながら、その動きをコマ撮りの要領で逐次トレースすることで、モーションキャプチャさならにその動きを再現させることができました。3Dモデリングなので、カメラワークを変更することもでき、2Dだった映像作品を3Dに切り出すことができるという意味でも画期的なツールです。
 初期の頃は、有名作のほとんどがVOCALIDのキャラクターを楽曲に合わせて躍らせるダンスPVでした。個人的に印象深いのは、ニコマスの超有名作「Princess Bride」のMMDバージョントレス元動画はアイドルマスターのキャラクターによるダンスをクリッピングして別の楽曲のダンスPVとして合成した一種のMAD映像ですが、MMDを使うことで派生元であるアイドルマスターの要素が動画内からほとんどなくなっています。これはDTM環境とMMDがあれば、MADではないオリジナル動画も製作可能であることを示しています。

 やがて、手に持つアクセサリや舞台セットの増加に伴い、MMD動画作品のジャンル自体が広がっていきます。特に大きなインパクトを与えたのが第2回MMD杯総合優勝作「ゲキド・オブ・ハツネ」で使用された舞台セット、通称ゲキド街です。それまでステージや部屋など固定された空間がメインだったMMDの世界に、ゲキド街を中心として具体的なワールドが作られ始め、ホームコメディなどのドラマ作品が登場し始めます。
 それまでもMMDを使ったドラマ作品はありましたが、ワールド素材が用意されることで作品の裾野が大きく広がることになります。また、これらの素材を中心に一種のシェアードワールドが形成され、キャラクターでしかなかったVOCALOIDにワールド設定ができ始めます。

 さらに、第2回MMD杯の少し前くらいからユーザーモデルが登場し始めます。MMDで動かすことのできるキャラクターモデルは限られていましたが、有志が自作したユーザーモデル(キャラクター、アクセサリ、舞台など)が次々に公開されて素材バリエーションが大きな広がりを見せはじめます。
 ユーザーモデルのバリエーションが爆発的に広がるきっかけになったのが、第3回MMD杯でした。特に影響が大きかったのが、敢闘賞を受賞した「Dial Connected 月時計~ルナ・ダイアル【東方PV】」です。MMDはもともとアイマスのダンスPVとVOCALIDワールド融合させたツールでしたが、この作品以降、ニコニコ御三家最後の一角である東方がMMDに本格参戦することになります。ユーザーモデルに東方シリーズのキャラクターが登場し始め、東方以外も含めたキャラクターバリエーションの広がりが一気に加速していきます。今なお新しいユーザーモデル・アクセサリが公開され続けていて、しかもその数は右肩上がりに増加しています。

 こうして見てみると、MMD杯は開かれるたびにMMDの新境地を常に開拓し続けてきています。第4回も、後から見れば何かのブレイクスルーのきっかけになっている可能性が高いです。それがいったい何なのか、楽しみにして残りの動画を見ようと思います。

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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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