akiraaniの日記: ベーシックインカムのお話 4
ニコ生でやってたベーシックインカムの生討論のアーカイブが上がっていたので、途中まで見た。ついでに、ロージナ茶会で白田先生がフォローしている動画も、一つ目を見た。
ちょっと面白かったので、理解した限りの点について日記でおさらいしておこうと思う。
ベーシックインカムというのは、誤解を承知で平易に表現すると「働いていようがいまいが国民に最低限の生活ができるだけのお金を国が支給しましょう」という制度のこと。
豊かな生活がしたけりゃその分働かないとだめだけど、生きていくだけなら働かなくてもいい。そういうシステムです。
技術が進歩すればするほど、効率化すればするほど、人間の仕事は減って働こうにもやることがなくなってしまう。働かざるもの食うべからずという原理を忠実に守ると、技術の進歩とともに飢え死にする人が増えていくというジレンマに陥ってしまう。
ベーシックインカムの考え方は、このジレンマを解消するシステムとして提案されたもの。
重要なポイントは、年金だとか、生活保護だとか今ある社会福祉手当てを全廃してベーシックインカムに統一するというところ。老若男女問わず、全員に平等に最低額を支給。あとはいかなる事情があろうと一切現金支給はしない。
理屈の上では、現代社会の食料生産力なら全員が働かなくても食っていくことはできる。現に、大半のニートは食うには困っていない。贅沢したくてやる気のあるやつだけ働いで稼いだ分だけ贅沢して、質素な生活でいいなら無理に働かなくても実は何とかなるところまで社会は進化している。ならば、ややこしい申請やコストのかかる審査が必要だったり横領着服の温床になるような複雑な福祉保障制度をすっぱりやめて、単純に平等に分配するだけでも社会は成立するはず。
あと、ベーシックインカムを持ってくるにあたって税制の改革も必要になるという点は押さえておく必要がある。ベーシックインカム制度は遊んでいる富を平等に分配することで成立するシステムなので、使う当てもないのにこつこつ蓄財するような行為は税制上お得でないようにしておく必要がある。
もちろん、そのまま実行するにはいろいろ問題もある。一番の問題は「最低限の生活ができるだけのお金では生活できない人」が生きていけないシステムであるということだ。例えば、ギャンブル中毒で生活費を全部ギャンブルですってしまうなど、経済観念が欠如した人を完全に見捨てることになってしまう。
あとは、純粋な労働力の減少からくる生産低下もあると思われるが、そのあたりついて触れてるところまではまだ見てません。
パネリストが軒並み賛成だったし、言ってることはわかるが、やはり現状では大掛かり過ぎて机上の空論になってしまうねというのが正直な感想。ただ、制度を変えるのが大変、という点を除けばかなり合理的なシステムではあると思う。
今のまま技術が進歩していけば当然いつかは行き着く道なんじゃないかな。
追記:共産主義との違いについて
やっぱり共産主義だと思う人がいるようなので補足します。
ベーシックインカムの制度というのは、最低賃金を保証する制度ではありますが、いわゆる賃金格差は今よりずっと広がります。
企業原理に基づくと、優秀な人材だけを残して平凡な人材を切っていった方が儲かります。ベーシックインカムで最低限の生活が保障されるので、雇用保障が必要なくなって能力給制度が今よりずっと進みます。優秀な人だけをコア人材として囲って、それ以外は格安のアウトソーシングに移行する。
そこそこ働いて気楽に過ごせばいいやと思ってる人は、フリーター的な生活になる。一方で、能力とやる気のある人はより効率の良い仕事についてがっぽり儲ける。
つまり、競争主義がより激しくなって格差も広がりまくりな社会になるということです。これは、明らかに共産主義とは別、というかむしろ相反する制度なんですね。
それ何て共産主義? (スコア:0)
Re:それ何て共産主義? (スコア:1)
共産主義とは別のものだよってのは、動画で何度も念押ししてたよ。
曰く、「一定額分配されるというだけで社会共有財産にするわけではないから、共産主義とは根本的に別のもの」だ、そうで。
使い切れないほど稼いだやつが福祉補償を支えているという点に関しては今の社会でも変わらないし、贅沢したきゃやっぱ働かないといけない。
働いても贅沢できない共産主義と同じかといわれると、確かに別物だと思うよ。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
富の再分配が一番難しいのですけど (スコア:0)
国家の基本では有りますが。
でも、それくらいの覚悟でやらないと改善はしないとは思う。
実際、現在の庶民の困窮の原因をリーマンショックに押し付ける人が多々居るわけだけどウソだよね。
その前の未曾有の好景気と自民党が自信満々に言っていた時代、国内企業の内部留保が100兆円も増えた時代。
そんなときに国民の総所得は100兆円減っているんですから。
そこから見えるのは、未だに「先ず景気の改善から、改革派後回し」と言うのが国民自体には何も利を
与えないって現実。
ならもう強権的に再分配の強化を推し進めるしか無いと思うんですが。
だというのに未だに小泉を持ち上げたり既にタックスヘイブンに近い法人税を更に下げろと叫ぶ奴等の多さと
胡散臭さと来たら…。
Re: (スコア:0)
内部留保は剰余金でもないし現金じゃないし、
課税なんかしたら二重課税になる類のものですが。