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akiraaniの日記: 乗り遅れたので日記に:本をスキャンしてPDFに変換 7

日記 by akiraani

格安で「本をスキャンしてPDFに変換する」お手伝いはじまる

 コメントではおおむね否定的だなぁ。

 まず、著作権法的な問題からすると、このサービスは黒です。立場的には「私的複製のお手伝い」という位置づけのつもりなんだと思いますが、複製作業者が業者になってしまった瞬間に議論の余地なくアウトです。

 次に出版社的な思惑ですが、まあ面白くないでしょう。PDF化したら連鎖的に私的複製されるのをとめられなくなります。もちろんネットでながしちゃうおばかも出てくるのは間違いない。ユーザーがコピーしないことを保証できる仕組みがない以上、何をどうやってもダメでしょう。

 とすれば、結論はNGに決まってます。現状、これを合法化するためには、コピー工程を個人で行うことで私的複製に含めるしか方法はないと思われます。

 まあ、合法化したところでまだまだ問題は残りますが。音楽業界がCDからのデータの取り込みでもめてきたような問題がそのまんま出版権に関して発生することになるでしょう。出版権周りの処理はかなり業界慣習で回っているようなので、個人が手軽にデータ変換できるようになると、予期せぬいざこざも大変たくさん発生するはずです。
 考えられるラインとしては、ScanSnapのようなドキュメントスキャナの販売会社やら、ノウハウ照会サイトを訴えようとするとか、著作権法を完全無視したキャンペーンを展開して炎上するとか……。著作権を良く理解しないまま権利を振り回すので、ダブルスタンダード同然の事を言い出したりもする可能性も高いです。

 現状救いがあるとすれば、破壊取り込みしかできないところですね。これが、取り込んだ後新古書店に売り払われてしまうようだと本格的にまずいことになります。音楽CDは非破壊での取り込みができてしまうため、レンタルCDの存在が大変ややこしいことになりました。
 現状の電子ディスプレイはどれも紙の書籍に劣るので、完全移行はまだまだ先です。それまではこういった書籍の取り込みは個人でひっそりとやって、モラルとしてコピーを他人(家族も含む)に配布しないことを身上にしていくしかないと思います。

追記:
 サービス案内の動画見て笑ってしまった。これPK-513+ScanSnapS1500じゃねぇかw
 どうやって著作権問題をクリアしてるのかと思ったら、原則客の方で出版社に許諾とってくださいって建前になっているようだ。それが嫌なら自分でやれと堂々と書いてるあたり、事業化するつもりは元からないようだ。PK-513とScanSnapS1500そろえたので小遣い稼ぎのバイト感覚ではじめてみましたというところだろうか。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2010年04月19日 13時31分 (#1750829)

    > ユーザーがコピーしないことを保証できる仕組みがない以上、何をどうやってもダメでしょう。
    逆にユーザーの立場からしたら「サービス終了したので今後は読めません。以上!」で終わらない仕組みがない以上、何をどうやってもダメだと思うけど。非破壊的に電子データを取り込めるCDだってCCCDは結局受け入れられなかったよね。

    •  ユーザーの利便性と、権利者側の許諾条件はこの場合あまり関係ないです。

       出版社としてはユーザーに好きに複製されうる電子化自体が歓迎せざる行為であって、著作権法上黒とできる見込みがあるなら当然許可しないですよね。電子化したら権利者にフィードバックされるならともかく、今回のケースではまったく利益の見込みがない。
       ユーザーの利便性が高ければ商品価値も高くなるのが普通なので、たいていの企業は利便性を追求するわけですが、それによって売上が阻害されては本末転倒なわけで……。

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      親コメント
    • by Anonymous Coward

      普通のサービスと同等に考えればいいんじゃないの?
      ネットゲームだって永遠にサポートされるわけじゃないし。
      流通の形態が変わるなら、他の部分も変わらざるを得ないっしょ。

      • by Anonymous Coward

        ただ、いままで本、CDが長期保存性があること(CDは微妙だけど)だったものを、利便性の高い別規格に移行したい、という市場ニーズにマッチしないという意味では...

        # 解決策はあるのだろうか

  • by Anonymous Coward on 2010年04月19日 13時35分 (#1750831)

    >現状救いがあるとすれば、破壊取り込みしかできないところですね。これが、取り込んだ後新古書店に売り払われてしまうようだと本格的にまずいことになります。
    破壊して破棄という事だと、今度は私的複製の範疇である事を保証する担保が無くなってしまうってのが問題視される可能性も。

    • 私的複製は基本的に(※)複製元の入手方法については関知しませんよ。
      複製後、複製元を売り払ってしまおうが、複製データの利用方法が私的な利用の範囲内でとどめていれば私的複製です。もちろん、図書館などで借りてきた本をコピーした場合でも同じです。

      ※例外的にDL違法化みたいな話がありますが、これは今のところ書籍は無関係なのでおいときます。

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  • by Anonymous Coward on 2010年04月19日 15時06分 (#1750893)

    非破壊取り込みは現状でも可能ですね。そのための技術や機器が研究・開発されているし、市販されてもいる。個人でも、デジカメの撮影で、それは可能(影や歪みをあまり気にしなければ)。いや、問題は手間やコストでしたか。

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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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