akiraaniの日記: まおゆう読んでます 1
最近、まおゆう(正式名称:魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」)の書籍版を読んでます。
この作品、もともとは2chのスレでえらい話題を呼んだ作品で、ドラクエ的ファンタジー世界に近代以降の産業イノベーションを持ち込んで世界を変えていく様子を物語としてキャラの掛け合いだけで進めていくというかなり特殊な内容です。
実は、この作品、そういうスレが話題だよって話は知ってましたが、2chの方は見てませんでした。書籍版を買おうと思ったのも行きつけのIRCで作者さまご本人からの売込みがあったからで、まあ奇妙な縁のめぐり合わせですね。
ちなみに、作者の橙乃ままれ氏はIRCなんかではraopuというハンドルネームを使っていて、TRPG業界ではまおゆう以前からの有名人です。(CSTのデザイナー、といえば知ってる人がいるかもしれません)
まだ1巻の半分も読めてませんが、まあ面白いですなこれは。おそらく、一番のポイントはフォーマットと題材の目新しさでしょう。
まあ、個々の要素自体は目新しいというものではなく、ドラクエ的ファンタジー世界で勇者や魔王と誰かの掛け合いで話が進むという文章フォーマット自体は以前からヒットスレをいくつも生み出している定番の一つですし、ファンタジー世界に経済をはじめとした近代的な要素を持ち込んだ話も小説なんかでは昔からあります。
新しかったのはその組み合わせであり、すごいのはその組み合わせでストーリーとして練り上げるまでにいたる知識と技量だと思います。
正直、読めない人には読みづらいことこの上ないというか、小説の体をなしていないとすら感じられるんじゃないかと思います。そのかわり、読み手側にある種の素養、たとえばドラクエ的ファンタジー世界のお約束に関する知識や、ライトノベル的キャラクター描写を台詞回しから逆算できる偏った想像力など、が備わっていれば普通の戦記もの小説よりも圧倒的に読みやすく、密度も濃くて面白いですよ。
あたし彼女とか恋空も (スコア:0)