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hoagの日記: 僕らはだれと競争しているのだろう

日記 by hoag

おごちゃんの雑文 技術者の給与が相対的に安いらしいが… と、その前段のエントリである プログラミングに誇りを持ちたいなら単価を考えないこと を読んで考えた。

まず、考えた事は、やられたなぁって事。そのうちどこかに書こうと思っていた 事が、大体書かれてしまっている。簡単に言うと、給料の多寡は何によって決まるの だろうっていう、素朴な疑問。結論から言うと、取り替えの利かない事。 あるいは利きにくい事、となる。

おごちゃんさんは「かけがえのない仕事をしている」って言い方をしている。 IT 技術者についての話なので、「外から買って来れない技術を持っている」かどうか、と。 一般的な職業に置き換えれば、医者とか弁護士とかに該当する。 つまり、高度な専門性とか教育の必要性って事だ。

さらに、こちらの記事も同様。これから書こうと思っていたのに。 ウェブ開発ブームの終焉。 かつてプログラマには、それだけで特殊性や専門性があった。 でも、今はプログラマ自体もコモデティ化し、取替え可能になってしまった。

確か、 EARLY MORLEY BIRD でモーリーが言ってた事。開放政策が何をもたらしたか。

経営者にとってのコストという観点で考えてみる。

僕らの給料ってのは、つまり、経営者にとっては生産コストだ。 当然それは安い方が良い。かつては、その選択肢は国内に限られていた。

でも、ある時期から、国外に工場を作ったりして生産拠点を移すって事が 多くなった。IT 業界ではオフショア開発とか言ってたヤツだ。 つまり、同じものを自国で作るか、外国でつくるかの選択が行われた結果、 外国を選んだって事だ。これはそのまま、労働者として自国の人間を 選ぶか、外国の人間を選ぶかって事と重なる。

つまり、僕ら労働者は今や、中国やインド等、世界中の労働者と競争しているのである。 いや、させられているのである。

そして、コモデティ化し、取替え可能な労働力としての僕らは、生活の為に 目の前の仕事を得ようとするなら、自分を安売りするしかないのである。

全世界を競争の場とした、主に労働力を対象にしたコスト引き下げ努力の結果、 モノの値段は下がった。 今までは、そのメリットを享受できた。でも、これからは、このフラットな 競争の方が効いてくるかもしれない。

まぁ、そんな単純なシナリオではないと言われるだろうし、それは正しいと 思う。ただ、長期的な傾向としては、外れていないはず。もし、このまま行けば。

以下、余談。

「アメリカでの技術者の待遇が良いのはどう説明するのだ」 に対する別の説明。と、言っても、とある漫画の受け売り。

アメリカでは、職に人をアサインする。日本では会社の構成員に人をアサインし、 その社員に仕事を割り当てる(この構造もだいぶ崩れているのは、先の派遣切りの時の 社員切りで明確になった)。 例えば、アメリカではそのポジションが不要になったら、その人は失業する事になる。 でも、日本ではその場合、どこかから仕事を見つけてきて、その人に与える。 つまり、セーフティネットの分が違うのだ。

アメリカ式は、全てがフリーランスか契約社員みたいなものなのだ。 フリーなら、保障が無い分、収入が高いのは当然となる。

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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー

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