maia 曰く、
2007年にIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)から公表された4次報告書の第2作業部会担当部分に「ヒマラヤの氷河が2035年ごろまでに消失する可能性がある」といった記述があったが、これが誤りであったとIPCCが認めた(共同の記事、毎日の記事など)。どうやら、2035年ではなく、2350年という話だったらしいい。元はWWFのリポートからの引用だが、その元は英国の一般向け科学雑誌ニュー・サイエンティスト。インド人研究者についての記事だったが、この研究者の論文は未公表で、氷河消失の時期も予想していなかった。2350年という数字は別の論文らしい。これもまた、「クライメートゲート」事件なのだろう。なお報告書の記述の誤りについては、発表の数か月前の2006年末に、オーストリアの氷河学者Georg Kaser氏が気づいていた(AFPの記事)。同氏の警告は結果的に生かされなかったが、同氏によればヒマラヤ氷河が2035年までに消滅するためには、12度以上の気温上昇が必要だという。ともあれ、IPCCは統合報告書の記述「ヒマラヤやアンデスなどの氷河の後退は21世紀中に加速する」は変更しないというから、大勢に影響を与える事はなさそうだ。