213319
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ある Anonymous Coward 曰く、
本家 /.「Roger Ebert On Why Video Games Can Never Be Art」より。
アメリカで最も有名で、信頼される映画評論家、と Wikipedia に記載される Roger Ebert 氏は長年、TV ゲームは芸術形式とは認められないとの意見を貫いている。去年の TED では反論を受けたそうだが、やはりその考えは変わらないとのことで、Chicago Sun-Times の自身のブログ記事にてその理由を説明している。
芸術とゲームの違いは、ゲームには勝ちがあることだ。ゲームにはルールがあり、点数があり、目的があり、そして結果がある。(ゲームデザイナーであり、プロデューサーである) Kellee Santiago 氏は点やルールのない没入型ゲームを挙げるかもしれないが、それはもはやゲームではなく、物話や小説、戯曲、ダンス、また映画表現である。これらには勝ちは存在せず、経験することだけできる。Santiago 氏「良質な文学作品はオーディエンスを動かそうとする欲求が動機となる」という Robert Mckee の定義を引き合いに出すが、多くの良質でない文学作品も同じような動機が元となっているため、これはあまり有用な定義とは言えない。例えば私が「Cormac McCarthy には強い動機がある」と主張し、Nicholas Sparks は「自分の小説には強い動機がある」と主張するかもしれない。しかし McCarthy の小説が芸術作品であり、彼の作品の方が「良い」と判断するのは私の審美眼による主観的な判断である (そして Sparks が良いと主張する者よりも優れた審美眼である) 。
Ebert 氏の「ゲームは芸術たり得ない」とのスタンスは変わらないそうだ。「芸術とは何か」といった哲学的な話にもなってくるだろうが、/.J 諸兄方はどのようにお考えだろうか。
213326
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tyosiaki 曰く、
東北大の出沢真理教授ら、京大の藤吉好則教授らは、ES 細胞や iPS 細胞に比べて増殖率は低いものの癌化の危険性が低い多能性細胞を発見し、「Muse 細胞」と名付けた (NEDO のプレスリリース, 東北大学大学院医学系研究科・医学部のニュース記事, 河北新報の記事より) 。
Muse 細胞は人間の皮膚や骨髄の中に存在し、遺伝子導入などの操作をすることなく、ストレス条件により活性化。ES 細胞や iPS 細胞と異なり無限に増殖することはなく、2 週間ほどで増殖が停止する。神経や平滑筋、肝臓などへの分化は確認されたがすべての細胞に分化するかどうかはこれからの研究で明らかにしていくとのことで、ES 細胞や iPS 細胞にとって代わるものではないが、様々な利用方法が期待できるとのことだ。
213330
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米国のロボットバトルやべぇよ 曰く、
日本でよく見るタイプのロボットバトルイベントとは、ひと味もふた味も違うロボットバトルイベントが、毎年この時期シリコンバレーで開催されている。ギネスブックにも「世界最大のロボット競技イベント」として認定されているそのイベント「RoboGames」だが、一番のウリは 100Kg を超える超ド級ロボット同士での壮烈なバトルだ。
米国では TV 放送も行われ、一般に広く知られているこの超ド級ロボットバトルだが、日本では殆どその存在すら知られていないのが現状である。そこで今回、日本でもそのようなロボットバトルを知ってもらおうと海外ロボット情報サイト「GetRobo」でおなじみシリコンバレー在住ロボットジャーナリスト影木准子氏と、この RoboGames や ROBO-ONE にも参戦経験のあるかづひ氏の手によって、日本語同時通訳 & 解説付きで Ustream 中継されることとなった。
Ustream のチャネルは robogames2010jp で、日本時間の 4/24 (土) 朝 8 時から 12 時までと、翌日 25 (日) 早朝 4 時から 12 時まで中継が行われる。現在は予告編のビデオが流れているので、一度どんなイベントなのかチェックしてみてほしい。中継は Twitter のハッシュタグ #robogames2010jp でも同時進行されるので、もし「今戦ってるこのロボットの作者にインタビューでこういうこと聞いてほしい」などがあったら、Twitter で #robogames2010jp を付けてつぶやけば、中継チームからフィードバックがあるかもしれない。
世界十数カ国から、約 400 チームが参加する今年の RoboGames 2010 だが、残念ながら日本からの参加者は少ないのが現状である。アジアの他の国からは毎年多くのチームが参加しているので、ぜひ来年はアナタも参加されてみてはいかがだろうか。現在主催者側は日本のゴールデンウィーク期間中の開催も考慮に入れているそうだが、もしゴールデンウィーク分散法案が可決してしまったら、このような主催者側の配慮も無駄に終わるのかもしれない。
なお、ROBO-ONE 委員会代表の西村輝一氏が米国でバトルボットを観て感動し、自分でも実際に参加してみて、こんなエンターテイメント系のロボットイベントを日本でもぜひやりたい、と始めたのが ROBO-ONE であることは知る人ぞ知る話 (リンク先ページ中ほど) である。
213334
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ある Anonymous Coward 曰く、
O'Reilly Radar にて、Opera の Charles McCathieNevile 氏へのインタビュー「What will the browser look like in five years? (5 年後、ブラウザはどう変化している? )」が掲載されている (本家 /. 記事より) 。
McCathieNevile 氏によると、ブラウザは今後コンピュータのインタフェイスの一部となり、今よりも目に付かなくなるだろうとのこと。人々が 5 年前、OS とその OS 上で動くソフトを元にコンピュータを選んだように、これからは人々はブラウザを選ぶようになるという。この 2 〜 3 年におけるブラウザの最も特筆すべき進化としては、JavaScript のスピードと機能の進化などを挙げながらも、長い目で見て最も影響が大きいものとして WAI-ARIA の登場を挙げている。
そして話題のタブレットコンピュータは「多様なプラットフォームを前提として開発することの重要性」を改めて浮き彫りにするのではないかと見ているそうだ。/.J 諸兄方の考える「5 年後のブラウザ」とは? 今後 5 年でどう変化する (して欲しい) とお考えだろうか?
213346
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ある Anonymous Coward 曰く、
昨年 12 月に Google が中国から受けたという大規模サイバー攻撃で、侵入者は Google は基幹システムにアクセスできる状態になっていた。開発チームのリポジトリの管理権限まで掌握され、盗まれた情報にはパスワード管理システムのコードも含まれていた、とのことだ (The New York Times の記事、japan.internet.com の記事、本家 /. 記事より) 。
Gaia と呼ばれるパスワード管理 (認証統合) システムは Google のほぼ全てのサービスへの認証を管理する同社の基幹システム。侵入を受けた後、Google は直ちにシステムへの変更を加えたとのこと。当初発表した通り 2 件の Gmail アカウントへの不正アクセスはあったが、他の Gmail ユーザのパスワードの漏えいなどはないという。
侵入の発端は Microsoft Messenger のメッセージだったと報じられている。中国の Google 社員に送られたメッセージには悪意あるリンクが含まれており、これをクリックした社員のコンピュータへ不正侵入することが可能になったという。侵入者はここから Google 本部の開発者のコンピュータに侵入、開発チームのソフトウエアリポジトリを掌握していたそうだ。
213349
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ある Anonymous Coward 曰く、
ファーストフードのロゴは、人を急かす効果があるという研究がトロント大学の Chen-Bo Zhong 助教により発表されたそうだ (Mail Online の記事、本家 /. 記事、doi:10.1177/0956797610366090より) 。
この研究では被験者にファーストフードのロゴを 12 〜 80 ミリ秒という非常に短い時間で見せ、その後 2 種類のスキンケア製品の説明を読み、そのどちらかを選ばせるという実験を行った。ロゴはマクドナルド、バーガーキング、KFC、サブウェイ、ウェンディーズとタコベルの 6 ブランドのものが使われた。
ファーストフードチェーンのロゴを見た被験者グループは、ロゴを見る前と比較して文章を読むスピードが格段速くなったとのこと。またスキンケア製品に関してはより時間を短縮できる製品を選ぶことが多かったという。更に、今すぐに少しのお金を貰うか、1 週間後により大きな額を貰うかでは、ロゴをみた被験者は即時の報酬を選んぶことが多かった。
研究者は、ファストフードは即時報酬と時間効率のカルチャーを象徴しており、ファストフードのブランドロゴを見ることは時間の有無に関わらず人を急かすサブリミナル効果があるのではないかと考えているそうだ。