New York Timesの記事、本家/.記事によると心理学の実験の分析結果の間違いをエール大学の経済学者Keith Chenが指摘したとのこと。
問題の実験方法は、1956年にJack Brehmが行なったものなどを改良したものでfree-choice paradigmと呼ばれ、心理学の認知的不協和の実証に使われている。
元の実験では、まず猿に赤と青のM&Mのどちらかを選ばせ、赤を選んだ場合、次に青と緑から1つ選ばせる。この場合、青と緑では緑のM&Mを選ぶ確率が高くなることから、赤と青では赤の方が好みだっただけなのに「青が好きじゃなかった」と自身に思い込ませることから青の順位を下げてしまうと結論づけられている。
しかし、Chen博士が執筆中の論文によると、これは確率の計算で簡単に説明できる現象であるとのこと。
赤、青、緑の3色を好みの順番に並べるときに順列の数は3 P 3=6通りであり、そのうち青よりも赤が前にくるものは
の3通りだけで、青が緑よりも好まれる確率は元々1/3しかない。よって、このような実験で認知的不協和を実証したとするのは間違いであるとのことである。
この間違いは、「
モンティ・ホール問題」と呼ばれる確率問題で起きがちな誤解と同類とのことで、過去に行われてきた認知的不協和の実験にも多くの間違いがあるのではないかと指摘している。